山内みらい行政書士事務所
国際相続・遺言
預金・株式・不動産以外で、注意したいもの

預金・株式・不動産以外で、注意したいもの

故人の残した遺産は金融資産や不動産だけではありません。残された「動産」もあります。

価値を有する代表格が自動車です。

価値評価自体が困難と言うことはありません。自動車のオークションで売買されている価格を参考にしたり、今保険会社に加入している証券で車両保険とされている価格(=盗難や全損の時に支払われる金額)、いくつかの手がかりがあります。

どちらかというと相続の手続が面倒です。陸運局で名義の変更が必要です。但し、名義の変更では、相続で譲り受ける人の車庫が、故人の車庫と同一でない限り、前もって車庫証明を取る必要があります。担当は警察署です。その上で名義変更を行います。

車のディーラーに頼むことも出来ますが、この車専門の行政書士も多く全国にいらっしゃいます。

相続人の居住地によっては、遠方への車の移動も余儀なくされることもあります。また、相続を機に売却をして現金化することも多いのが実情です。車次第ではあるものの、車の流通は一般的で、現金化が極めて容易な動産の例と言えます。

次は書画骨董の類いです。

テレビの「なんでも鑑定団」をご覧になった方も多いでしょう。これら書画骨董は「一品もの」ですので、価値の判定は容易ではありません。その意味では自動車と真逆といえます。

明らかに価値を持ったものであれば、鑑定を依頼することもありますが、鑑定も費用がかかります。また、評価が妥当かどうか、相続人で意見が割れるリスクが高いです。それであれば、むしろ購入した価格が分かれば、それで評価してしまうのも一考です。いずれにせよ「決めの問題」の部類になります。

相続財産での評価が最も難しいものの一つと言えます。

思い切ってゼロと割り切ることもありうると考えます。換金が難しいので、受け取った側に価値が見いだせないことが多いこともあります。もっとも相続人の間で意見が割れる可能性があるものです。

次に刀剣・銃砲です。

これらはそもそも所持が制限されていますので希な例と言えます。

ただし刀剣は美術品的価値があるものについて例外的に所持が認められており、都道府県レベルの教育委員会に登録がされています。東京都の例

銃砲については、通常は狩猟免許を有している人だけが購入できるもので、これも同様に教育委員会に登録が必要です。

価値の算定は容易ではありません。

注意すべきは相続で所有者が代わった場合、教育委員会の手続が必要だということです。

銃砲については相続人が狩猟免許を有していることが必要など難しい側面があります。

これについては官公署への手続であり、相続関連業務の一環として行政書士が代理で行うことが出来ます。

船舶(一定の規模以上のモーターボート)についてです。

小型船舶の免許は比較的容易に取得出来ます。このため趣味目的でモーターボートを有している人が見受けられます。

船舶は登記の制度があります。このため登記を確認した上で、相続手続により登記の名義を変更することになります。

しかしながら、相続人が船舶操縦免許を有しているかというと、これは自動車とは異なり、別問題です。相続しても短期で売却をしたいと思われる方が大半でしょう。維持にも相当な費用がかかります。

専門の業者経由で買い手を探すことになります。買い手がいるかどうかは船舶の種類・状態と価格次第となるでしょう。自動車に比較して遙かにマーケット規模は小さいことはやむを得ません。