海外に長く暮らしていらっしゃる方、日本・海外在住の外国籍の方へ
海外に長く在住の日本人の方や、日本在住・海外在住の外国籍の方で、日本法に基づいた遺言を作成したい方がいらっしゃいます。
「遺言の方式の準拠法に関する法律」により、原則として、こういった方々が「在住国の方式に則った遺言」も法的に有効です。
ところが、問題は、実際のこの遺言の執行、つまり預金の解約や不動産登記の局面です。
これらの手続においては、金融機関や法務局がどのように対応してくれるかという問題に直面します。
純粋国内の相続では、立証する書面は大方決まっています。実際の収集は非常に大変なことがままありますが、法律が国内のみで完結しますから、前提条件を立証するという必要はなく、大きな問題にはなりません。
海外相続の特有の難しさ
一方で、こういった海外関連の相続で遺言が遺されていた場合には、金融機関や法務局は必ず以下のことを要求してきます。
「この遺言が、その国の法律で有効に成立しているものなのかどうか、現地の法律事務所の意見書を提出して下さい」
とてつもなくこの後のプロセスが大変だということは想像に難くありません。
これを解消する手段が、日本法に基づいた遺言作成です。
遺言を作成するにあたり、日本の資産については日本法に基づいた遺言を作成すると、その後の執行は書面が既に日本法に基づいたものですから、執行が非常に容易です。
この通り日本法に基づいた遺言の目的は、「相続先の指定」のみならず、「執行の局面を意識した」ものとなりますから、「即座に執行できる」形式まで整えておくところまでやっておきたい(でないと作る意味がない)ところです。
この通り日本法に基づいた遺言の目的は、「相続先の指定」のみならず、「執行の局面を意識した」ものとなりますから、「即座に執行できる」形式まで整えておくところまでやっておきたい(でないと作る意味がない)ところです。
このため、公正証書遺言の作成を強くお勧めします。
プロセスは面倒ではありますが、その後の執行の局面の面倒さに比べれば遙かに楽になります。
原則的には、日本に帰国・訪問される前の段階で準備に取りかかります。公証役場と行政書士が内容を打ち合わせ、文面案を作成します。
英語しか分からない方についても、日本での遺言公正証書は日本語のものになります。予めご依頼人の方と英文で内容を確認しておき、公証人の前では、公証人が一文一文を該当する日本語を読み上げ、弊職が公証人の口授の内容について同時通訳を行ってご依頼人に英文を伝え確認することで作成することができます。
日本と同様のプロセスになりますから、証人2名の立ち会いが必要となり、これも行政書士が予め手配を終えておきます。